【コラム】疲労骨折をした名古屋の学生へ。その原因と予防の方法、知っていますか?
こんにちは。アーチビレッジの亀山です
今回は疲労骨折についてです。
疲労骨折とは、骨に小さなストレスが繰り返し加わり続けることによって、起こる骨折のことです。
小さなひびも骨折とカウントされます。
一度の大きな外力によって起こる骨折とは違い、少しずつ痛みが強くなるため、気づいたら骨折していた、というようなことが良くあります。
疲労骨折は、中足骨・腓骨・脛骨などの、細長い骨に多く見られます。
競技は、ランニングが多い陸上長距離・マラソン、
ジャンプや素早い動きが多いサッカー・バスケットボール・バレーボール、
新体操やバレエなどの審美系種目などに多く見られます。
腰の骨で疲労骨折が起こると、腰椎分離症という名前が付きますが、今回は割愛します。詳しくはこちらをご覧ください。
【疲労骨折の原因】
疲労骨折の原因ですが、大きくは「運動強度が高く、ある一か所に負荷がかかりすぎてしまう」ことと言えると思います。
ですが、その手前に何か原因があるから、同じ負荷でも疲労骨折をする人としない人がいると考えることができませんか?
そういった根本的な原因を3つ挙げてみました。
①姿勢
②栄養不足
③無月経
順番に見ていきます。
①姿勢
姿勢の影響はすごく大きいと思います。
例えば、左右差がない競技やポジションでも、右に負荷がかかりやすい姿勢がベースにあったら、右脚の疲労骨折を起こしやすくなります。
その「右に負荷がかかりやすい姿勢」の原因が上半身にあるのか、骨盤にあるのか、はたまた足首にあるのかは、その方のお身体を見てみないとわかりません。
ぱっと見て右肩が下がっているとか、猫背だとか、そういう見てわかる左右差はもちろんですが、
さまざまなテストで左右差を比べて初めてわかるくらいの小さな左右の癖や、過去のケガや手術などが原因となり、積もり積もって、やがて疲労骨折を引き起こしてしまうのです。
②栄養不足
これは特に陸上長距離や審美系種目の人に言えることですが、体を軽くしようとして食事を減らすことがありますよね。
減らして減らして、じゃあ何を食べるかというと、パンとか、サラダとか、なんとなくあまり体にたまらなさそうなものを選ぶかもしれません。
これは完全に栄養が足りていませんね。
栄養どころか、エネルギーも足りていません。
高いところからの着地や走ることは、床や地面に強い力を加えます。そしてそれと同じ力が体に跳ね返って来るため、骨の負担も大きくなります。
にもかかわらず食事から摂る栄養素が足りていないと、骨は簡単にもろくなってしまいます。
「でも食べたら体重が増えて、体が重たくなるかも。」
わかります。
体重管理が必要な競技では、そう思ってしまうのは当然だと思います。
体重管理や疲労骨折が心配な方は、こちらをご覧ください。
スポーツに必要な食事や体重管理について、管理栄養士が詳しくまとめています。
③無月経
女性は無月経になると、疲労骨折のリスクがぐっと高くなることはご存知ですか?
近年日本でも知られるようになってきた
「女性アスリートの三主徴(FAT)」。
とはいってもまだまだ浸透していないように感じますので、少し説明させて頂きます。
スポーツをしている人は、していない人に比べて多くのエネルギーが必要です。
それは運動するためのエネルギーであり、利用可能エネルギーとも呼ばれます。
運動するためのエネルギーが不足すると、体は生きるためのエネルギーを運動に使おうとします。
それでは生命の危険があるため、まず最初に、子孫を残すための生殖機能である月経を止めます。
これが無月経です。
無月経になるということは、女性ホルモンの分泌が低下することです。
そして、骨は絶えず破壊と形成を繰り返して強さを保っています。
エストロゲンという女性ホルモンは、骨が破壊されすぎるのを防ぐ役割を果たしますが、無月経によりエストロゲンの分泌が低下するので、骨は破壊が過剰になり、もろくなっていきます。
また、エネルギーが不足すると骨を作るエネルギーや成長ホルモンも不足してしまい、骨粗しょう症のリスクが高まります。
こんな状態の骨に負荷がかかり、疲労骨折を起こしてしまうというメカニズムが、女性アスリートの三主徴です。
この女性アスリートの三主徴(FAT)は、何となくでもいいので、スポーツをしている女性や、その指導者の方・親御さん方にはぜひ覚えておいていただきたい内容です。
無月経の場合、恥骨・坐骨・仙骨・大腿骨頸部などの股関節周りの疲労骨折を起こすことも多いです。
「審美系の競技をしている子や、もともと細い体型の子がなるものだから、自分はあんまり関係ないなあ」と思っていませんか?
2019年の調査では、「女子中高生の8割超に無月経のリスクがある」という結果が出ています(毎日新聞:スポーツ庁・順天堂大学女性スポーツ研究センター)。
10人いたら8人が無月経になるリスクを持っていることになります。
人から体型を指摘されたり、痩せたいという願望を持っていたりする方は多いと思います。
誰でも何気ないことがきっかけで、摂食障害や無月経になってしまうことがあるということも、ぜひ知っておいてくださいね。
以上が、疲労骨折で考えられる根本的な3つの原因と予防方法です。
疲労骨折や姿勢・栄養不足・無月経についてさらに詳しく知りたい方はぜひご相談ください。
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柔道整復師 亀山弥子
名古屋市で痛みのある方へのパーソナルトレーニング指導、名古屋市内の高校女子バレーボール部・バスケットボール部トレーナー活動や、愛知県・静岡県での女性アスリートサポート活動などをおこなっております。