【コラム】水泳選手「肩甲骨の動き」を出して、今よりもっといいタイムを出すには!!
こんにちは。athlete villageの増田です。
私は柔道整複師の資格を取得後、静岡県や愛知県を中心に展開しているアーチフィジカルグループのathlete village浜松と、アスリート鍼灸整骨院に勤務しています。
痛みのある方はもちろん、お身体のことでお悩みの方の治療やリハビリ、各競技のパフォーマンスアップを目的としたトレーニング指導をさせて頂いています。
今回は、水泳選手の今よりもタイムを縮めるための肩甲骨の動きについてお話ししていきます。
「肩甲骨をもっと動かせ!」
「肩をもっと大きくまわせ!」
水泳の練習で1度は耳にする言葉ではないでしょうか?
選手は、無理やり肩を動かそうとします。そうすると、余分なところに力が入り余計動きが悪くなったり、肩の痛みに繋がったりしてしまうことがあります。
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肩甲骨の可動域をスムーズに大きく使うには、何が必要だと思いますか?
・肩まわりの筋肉の柔軟性を出す
・肩まわりの筋肉をつける
もちろん、これらも正解だと思います。ただそれよりも、もっと根本的なことをこれを読んだ皆様には知っていただきたいと思います。
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それではまず身体の構造を見ていきましょう。
肩甲骨の正しいと言われる位置は、肩甲骨の上の角が胸椎(背骨)の、上から2番目と同じ高さにあります。そして、胸椎から肩甲骨の内側までが指3から4本分のところ。もちろん個人差はありますが、これが正しい位置になります。
肩甲骨が正しい位置にあるからこそ、正しい動きが出ます。
さて、ここでポイントとなるのが、
『肩甲骨の位置は胸郭(肋骨、胸椎、胸骨)に大きく影響を受ける』
というところです!!
では、それをさらに細かく見ていきましょう。
次は胸椎についてです。皆様もご存じな通り、背骨は、横から見ると(矢状面)真っ直ぐてはありません。
生理的湾曲と言って、それぞれ湾曲を作り衝撃の吸収がてきるようなカタチになっています。
頸椎は前湾、胸椎は後湾、腰椎は前湾。
胸椎は後湾しているのが正常です。
さて、正しい状態がわかった所で、次はストリームラインについてです。ストリームラインは、泳ぐときに水の抵抗をできるだけ減らすための姿勢と言われていますが、このときの胸椎は伸展しています。
胸椎が伸展することによって肩甲骨が正しく動くことが出来て、しっかりと手を挙げることができます。
手を挙げようとした時の肩甲骨の正しい動きは、上方回旋していき、挙げ切った所で下制・内転して安定するのですが、胸椎が過度に後湾していて伸展がしっかりと出ないと肩甲骨の動きがうまく出ずに、最後まで腕が上がりにくく、途中で止まってしまいます。
そうなると、ストリームラインからずれた姿勢になってしまい、水の抵抗を受けやすくなってしまいます。
本人もわからないようなちょっとしたずれが出てしまうだけでも、前に進む力が出にくくなっている可能性があります。
では、胸椎の伸展が出にくくなるのはどうしてでしょうか。
これは、水中ではなく陸上の生活の中での姿勢が原因だと考えられます。
勉強中、携帯を触っているときの姿勢は、みなさんどうなっているでしょう。
背中が丸まっているいわゆる『猫背』になっていないでしょうか。
猫背になっていると言うことは、胸椎の後湾が過度に出ていることになります。
常にその状態で生活していると、その姿勢で固まってしまい、胸椎の伸展を出したくても出せなくなってしまいます。
それがストリームラインを作るときの胸椎伸展が出ない原因です。
泳いでいるときだけ意識していても、カタチはうまく取れないと思います。
普段の姿勢でどれだけいい位置で保てているか、それも意識しなくても良い姿勢で維持できるか。
それが、いい記録を出すために大切なことの1つです。
今回は、家でも簡単にできる胸椎の動きを出すトレーニングを2つご紹介します。簡単にできるので、ぜひみなさん参考にしてみてください。
まず1つめは、「キャット&ドック」です。
よつばいになり、背骨を丸めます。このときは、お腹を見るようなイメージがいいと思います。今度は、背骨を反らせます。上を見るようにやってみてください。これを10×2セット行います。
もしかしたら、背骨が丸まりにくい、反りにくいがあると思います。周りの人に見てもらいながら、しっかりと動きを出すようにしましょう。
2つめは、ストレッチポールを使った胸椎伸展トレーニングです。
ポールに手を乗せ前にゆっくりとポールを転がしながら胸椎を伸展していきます。手を伸ばしたときには、骨盤もしっかりと前に倒れるようにします。(腰も丸くなったままにならないように)
これも10回×2セット行います。
この2つを毎日やるだけでも胸椎の動きは出やすくなると思います。
今回お話ししたように、どんなスポーツでも普段の姿勢が邪魔をして正しいカタチを取ろうとしても取れないということが、とても多いように感じます。
なんでうまくいカタチがとれないのか、動けないのか、少しでもそんな悩みを抱えている選手たちの力になれたら幸いです。
ぜひご相談ください。
柔道整複師
増田鮎美
ARCH Village
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