転倒予防の為の運動が知りたい浜松市にお住いの60代女性
こんにちは、Athlete Village浜松の椋本です。
私は、静岡県、愛知県、沖縄県を中心に店舗を展開するアーチフィジカルケアグループのAthlete Village浜松に務めております。
私は、アスレティックトレーナーの資格を持っています。
アスレティックトレーナーとは、主に日常生活の質の向上、怪我のリハビリなどの運動指導を得意とするスポーツトレーナーの資格の1つです。
Athlete Village浜松では、動作分析やリハビリ、パフォーマンスアップトレーニングの指導を行っています。
今回は、「転倒予防」についてお話します。
最近つまずくことが増えたあなた。実は、60代以上の方の怪我の原因は「転倒」が多いと言われています。
大きな怪我に繋がる前に予防の運動をしておきましょう!!
では、さっそく本題です。
転倒を防ぐためには2つの大事なポイントがあります。
①大きな歩幅で歩くこと
②神経系の伝達をスムーズにしておくこと
この2つをふまえた上で、転倒予防に繋がる運動を3つお伝えしていきます。
まずは、転倒が起きやすく、怪我に繋がってしまう原因をご説明します。
この記事を読んでくれているあなたに質問です。
なぜ、年齢を重ねると転倒が増えると思いますか?
「筋肉量が落ちるから」
「判断のスピードが下がるから」
「視力や聴力が低下するから」
など色々な考えがあると思います。今、例に挙げたものはイメージがつきやすいと思います。
そして、これは間違いなく、転倒の原因になります。
年齢を重ねるごとに運動する機会は減っていきます。思い出してみてください。
学生の頃は学校の登下校で歩き、授業では体育があり、運動部に所属していた方は毎日練習をしていたのではないでしょうか。
その運動量と現在の運動量には間違いなく差があります。
ある研究のデータでは、30歳以降の運動量減少により筋肉量が減少するという結果が出ています。
25歳をピークに65歳までの40年間で25%もの筋肉が低下し、
65歳から80歳までの15年の間で更に25%が急激に減少すると言われています。
急激な筋肉量の減少が転倒に繋がることは分かっていただけたのではないでしょうか。
この「筋肉量の減少」が大事な2つのポイントに繋がっています。
では、①大きな歩幅で歩く を解説していきます。
一歩が小さい事により、股関節の正しいかつ効率の良い動きが出来ずに転倒に繋がります。
歩幅が小さいと足を上げてくるのにたくさんの筋肉を使います。
筋力低下が起こっている年代の方がこの歩き方では、何か障害物があった時により大きな力を発揮する必要があります。
歩くことにたくさんの筋肉を使っているのに障害物を回避できるでしょうか。
歩幅が小さいと転倒のリスクになりやすいのはイメージして頂けたのでないですか。
更に、この歩き方を続けると、筋肉や関節を痛める原因にも繋がります。
なので、一歩を大きくする必要があるのです。
一歩が大きいと床からもらう力(床反力)が股関節を大きく動かしやすくなり、筋肉の大きな力を使わずに、
後ろ足を前に大きく振り出すことが出来ます。
床からの力(床反力)により、股関節前面の筋肉が引きのばされます。引きのばされた筋肉は縮もうとして、後ろの足を前へ振り出します。
輪ゴムをイメージして頂けると分かりやすいと思います。
輪ゴムを強く引きのばせば、その分大きな力を発揮します。それと同じことが歩きの中で行われています。
これには、もう1つポイントがあります。
それは上半身です。一歩が大きくなった分、腕のふりも大きくしなければ歩きにくいです。
腕振りが小さいと手と足が一緒に出た歩きになってしまします。
腕を大きく振ればいいのではなく、胸郭から大きくまわす必要があります。
胸郭とは、胸骨、肋骨、胸椎の3つをまとめてこう呼びます。
逆を言えば、胸郭の回旋量が増えれば一歩も大きく出やすくなります。
ここで一歩を大きくする運動と胸郭の回旋を出す運動をお伝えします。
まず、一歩を大きくする運動です。
準備するものはタオルだけです。
1)タオルを地面に置き、その上に片足をのせます。
2)タオルがある方の足を後ろに引きます。
後ろに引くときは股関節の前面が伸びているのを感じてください。
感じない場合もありますが、その時は、その筋肉を使っているという意識で行ってください。
*この時、上半身が前に倒れないようにします。
3)後ろに引いた足を元の位置に戻します。
これを両足10回ずつ繰り返します。
次に、胸郭の回旋を出す運動です。
1)横向きで寝転がります。体は真っ直ぐで、手と手を合わせます。
2)上にある手を大きく開きます。顔は開く手を見ながら動かします。
*体を開くときに、骨盤の動きより肋骨をより大きく動かします。
3)元の体勢に戻ります。
これを左右10回ずつ繰り返します。
この2つの運動をすることで、大きな歩幅で簡単に歩くことが出来ます。
次に②神経系の伝達をスムーズにしておくこと について解説します。
なぜ神経系の伝達が大切かは、筋肉が「どう動くか」という命令が神経を介して伝達されるからです。
細かく解説していきます。
まず、人間は目や耳から得た情報は脳に伝達されます。そこから脳でどこを動かすか判断します。
判断して必要な筋肉に命令を送ります。その命令は脳から神経を介して筋肉へと伝達されて私たちは動くことが出来ています。
転倒に繋げてお話します。
例えば、あなたが歩いています。
少しの段差が目の前にありますが、あなたは気づいていません。
そのまま、段差につまずきます。
体が傾いていきます。これ以上、体が倒れてしまえば、転んでしまうと脳が判断します。
脳は筋肉に対して「転ばないようにここの筋肉動け」と命令します。
ですが、神経系の伝達がスムーズでないと、一瞬で判断して転倒を防ぐことは不可能に近いです。
なので、神経系のスムーズな伝達は必要不可欠なのです。
そして、神経系の伝達をスムーズにするためにはある能力の向上が必要です。
それはバランス能力です。
バランスとは、目や耳からの情報を判断して不安定な状態でもどうすれば耐えられるかという神経系を刺激した運動の一つになのです。
では、神経系の伝達をスムーズにする運動をお伝えします。
片足立ちです。
これは簡単に出来てしまう方も多いと思います。
そんな方は目を閉じて脳に入ってくる情報量を減らし、レベルを上げたり
座布団やクッションなどの不安定な場所での片足にチャレンジしてみてください!
更に、スクワットなどの運動をされている方は不安定な場所でその運動をするとよりレバルが上がり難しくなってきます。
この運動をすることで不安定な場所で体が傾いたときに、
どこの筋肉を動かして体の位置を保てばいいのかを脳と筋肉が神経を介して伝達するので、
もし転びそうになったときでも、神経系がスムーズに命令を伝達して転倒を防ぎます。
転倒を防ぐためには、
一歩の歩幅を大きくすること
神経系の伝達をスムーズにすること
この2つは何歳になって運動を初めても改善されていくものです。
今からスタートして遅いということは絶対にありません。
転倒したくないあなたはもちろん、
また転倒を繰り返さないためにもこの運動は必要です。
あなたのこれからの人生で転倒により楽しいことや新たにチャレンジしたいことを諦めてほしくありません。
この記事を読んで、少しでも新たなチャレンジできる方が増えれば幸いです。
最後まで、読んでいた頂きありがとうございました。