【中学生のサッカー選手必見!】 腰椎分離症から復帰したがまだ腰に痛みがある。又は、競技復帰に不安が残る選手へ
【中学生のサッカー選手必見!】
腰椎分離症から復帰したがまだ腰に痛みがある選手。又は競技復帰に不安が残る選手へ
腰椎分離症からリハビリを経て復帰したけど、また怪我をしないか心配、競技復帰がまだ怖い。そう思っている選手や親御さんは多いのではないでしょうか?
分離症のリハビリは2~3か月、長ければ1年ほどかかることがあります。復帰してもまた再発する、もしくはまたなってしまうのではないかという恐怖心で以前のようにサッカーが思いっきりできない選手は非常に多いです。
しかし、そう思ってしまうのは当然です。
なぜなら、「競技復帰の為のリハビリを行ってない」からです。
サッカーはダッシュ、ジャンプ、切り返し、キックなど様々な動きを行います。
本来であればこのような動作を確認して痛みが無ければ復帰となります。しかし、一般的に病院では日常生活に支障がないようにすることがゴールになります。
そのため、サッカーの競技動作を考慮せずに復帰すると腰を痛めてしまう可能性が非常に高くなります。
痛みなく、恐怖心なく競技に復帰するには段階的な計画を立てて一つずつクリアしていくことが大切です。
以下に段階的なリハビリテーションをご紹介します。
①関節可動域の改善
↓
②筋力強化、関節安定化
↓
③バランストレーニング
↓
④瞬発力強化
このように順を追って復帰する必要があります。
これらを簡単に表すと
①柔軟性改善
②筋力強化
③協調性改善
④瞬発力強化
に分けられます。これから一つずつ説明していきます。
病院でのリハビリが終わって復帰した選手、復帰したけどまだ不安だという選手は是非今回の記事を参考にしてみて下さい。
①柔軟性
柔軟性とは体の柔らかさです。
分離症を発症する選手は体が硬いことが多いです。
体の中でも股関節周囲の筋肉は硬いことが多く指先を地面につける前屈(ぜんくつ)や後ろに反る後屈(こうくつ)が行かない選手が多いです。
特に後ろに反る後屈が行かない選手は非常に多いです。
これが行かないのはもも前やお尻の筋肉が硬いことによって動きを制限されてしまうからです。
股関節は本来自由度の高い関節なので自由に動くことが出来なければいけません。
しかし、股関節の動きが制限されるとその負担が腰に来てしまいます。
つまり、股関節を動かせないので、腰を過剰に反ったり、ひねったりするようになります。
これが繰り返されることによって腰にストレスが蓄積されて分離症を起こします。
サッカーだとインステップでシュートを打つ時、インフロントで遠くへパスを出すときに腰を反る、ひねるストレスが加わります。
このままサッカーを続けていれば分離症を再発してしまう可能性があります。
先程の話で出てきましたが、分離症になってしまう選手は体を反る後屈が出来ないことが多いです。
これはもも前の筋肉の硬さが原因です。
もも前が硬い選手は立っている時に体を反った姿勢をしています。体を反った姿勢では立っている時も腰にストレスがかかっている状態です。
これを改善するのがストレッチです。
もも前を伸ばすストレッチを行います。
・横向きになり両膝を曲げます
・上にある足を後ろに持っていきもも前の筋肉を伸ばします。この状態で30秒キープします
※この時、背中が反ったりしないように注意しましょう
このストレッチでもも前の筋肉は柔らかくなります。
②筋力強化
分離症のリハビリで大切なのが「腹筋・股関節筋力」です。
病院でリハビリを行っている時から体幹トレーニングなどはやっていたと思います。
なぜ、体幹や股関節の筋力が大切なのか、これを知っておかなければいけません。
①の柔軟性でもお伝えしましたが本来股関節は自由に動く関節で、腰は止めておかなければいけない関節です。
しかし、腹筋の筋力が無ければ体幹の動きを制御できず腰を反る、ひねる動きが過剰になります。股関節の筋力も少なければ腰への負担はさらに強くなります。
つまり、腰と股関節の連動した動きが出来ないと痛みが出てしまうということです。
その為、腰の動きの制御の為には腹筋の筋力・股関節周囲の筋力が必要になります。
股関節は中殿筋というお尻の筋肉、腹筋は腹斜筋という筋肉が必要です。
中殿筋👆
腹斜筋👆
これらの筋肉が働いていないとシュートの時軸足が安定せず体が横に流れてしまう蹴り方になることがあります。これではシュートフォーム自体が悪くなり腰だけでなく膝や足首まで影響が出ることがあります。
そうならない為にも、この2つの筋肉を鍛える方法をご紹介します。
☑中殿筋トレーニング
・横向きに寝て下の膝は曲げて、上の膝は真っすぐ伸ばします
・上の足を上下に動かします
・10回行うとお尻の横を使う感覚があると思います
このトレーニングでお尻は鍛えられます!
☑腹斜筋トレーニング
・上向きに寝た状態で片方の手は頭の後ろ、もう片方の手はお腹に置きます
・体をひねりながら上体を上げていきます
・10回行うとお腹を使う感覚があります
③協調性の改善
柔軟性や筋力がついてきたら次に協調性トレーニング(コーディネーショントレーニング)を行う必要があります。
協調性とは自分の体を思い通りに動かすことが出来るようになることを言います。
サッカーの場面では、ドリブルの時の体の使い方、相手との距離感、倒れそうになった時など自分の体を思い通りに動かせることを言います。
選手たちは通常週の半分以上練習を行っています。
そこでは無意識のうちに、体をこう動かせば相手をかわせる、こうすれば体は倒れないといった競技中の感覚的な部分が多く養われます。
しかし、復帰までの期間が長ければ長いほどこの能力は衰えてしまいます。
この能力をつけるには柔軟性や筋力がついてきた時点で少しずつ協調性トレーニングを行うことが必要です。
トレーニング内容は不安定化の中で体幹トレーニングや片足立ち、ボールに触れる必要があります。
これらを行うことでバランス感覚や動的安定性が鍛えられてサッカーの最中、倒れない、ドリブルの時の安定感が増す効果が得られます。
下の写真はバランスディスク上でのキック動作です。この上で揺れることなく安定した状態で立ちながらボールを蹴ることが出来れば協調性の能力が高いということです。
こういった協調性のトレーニングを行わないと復帰してすぐは競技感覚を忘れてしまっているのでタックルされてすぐに倒れたり、ドリブルが上手くできないとういう状況になります。
協調性トレーニングは復帰前にしっかりと確認しておきましょう。
④瞬発力強化
①~③までトレーニングが出来たら瞬発力トレーニングを行います。
瞬発力とは瞬間的に力を発揮することとされています。
サッカーでも非常に重要でダッシュやジャンプ、キック動作なども瞬発力とされています。
瞬発力が衰えることで復帰した際素早い動きについていけずダッシュのフォームやキックのフォームが崩れて腰に痛みを訴える可能性があります。
その為、瞬発力を鍛えて痛みが出ないように、又は、競技のパフォーマンスアップが出来るようにします。
どうすれば鍛えられるのか?
先程の体幹トレーニングだけでは実は瞬発力はつきません。
「素早い動きを繰り返し行うことで瞬発力は強化」できます。
筋肉は伸びている状態から縮んだ状態が一番力を発揮しやすいです。輪ゴムを思い出してください。ピンピンに伸ばしてから手を離すと遠くへ跳んでいきますよね。筋肉もそれと同じなのです。
その為、連続してジャンプを行うことが瞬発力を鍛えるのには効果的です。
アンクルジャンプというトレーニングを行います。
・真っ直ぐ立った姿勢からジャンプを行います
・地面が足に着いたら腕を上に振ってジャンプします
・できるだけ地面にいる時間を少なくしてジャンプを繰り返し行います
・20秒間行いましょう
これを行うことで瞬発力は強化されます。
以上の①~④すべてが必要になります。
これら無くして復帰は再発リスクが高くなります。
復帰までの期間が長ければ焦りが出るのは当然だと思います。
しかし、せっかく長期間リハビリを頑張ったのにまた再発しては勿体ないです。
再発させない為にも段階的なリハビリは重要です。
最後に
成長期でもある中学生の時期でのケガはその後にも影響します。私たちとしても放ってはおけません。細かく痛みの原因、ケガの原因となる動きを調べ改善するための方法を詳しくお伝えさせていただいております。お子様のお体のケガや痛みでお悩みの方は一度ご相談ください。
記事作成者:石井 涼 【アスレティックトレーナー】
スポーツ現場で活躍するアスレティックトレーナー。トレーニング・リハビリ指導を通して小中学生のケガからの復帰、再発予防、パフォーマンスアップを選手と一緒に目指している。選手・親御さんが安心してさらにケガ前よりもレベルアップできる体を作り上げることを得意としている。
◇トレーナー経歴◇
2015~2017 清風高校サッカー部 学生トレーナー
2016~2017 関東学院大学ラグビー部 学生トレーナー
2016~2017 東海大相模ラグビー部 学生トレーナー
2017~2019 大成高校男子バレー部
2017~2019 静岡商業高校女子バレー部
2019~現在 名東高校女子バスケ部
2019~現在 トリコ・アレイア(ビーチサッカー)
◇ARCH Village 名東店◇
名古屋市名東区宝ケ丘285 藤が丘スカイマンション1階
052-773-2990
◇Athlete Village 浜松店◇
静岡県浜松市中区曳馬6-19-8
053-522ー9815
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