【コラム】前十字靭帯断裂の手術後、痛みが引かない名古屋の方へ。原因は「癒着」?!

前十字靭帯を損傷または断裂してしまい、手術をした。

リハビリをしているけど、ずっと痛みが引かず思うように動かすことができない。

 

前十字靭帯の手術後、このように悩んでいる方の声をよく耳にします。

 

前十字靭帯の損傷または断裂というのは、サッカー、バスケ、ハンドボール、フットサルなどの、ジャンプやストップ動作の多いコンタクトスポーツで多く発生します。

また、男性に比べて女性に多く発生するというのは、世界的にもデータとして出ています。

 

女性に多く発生する理由や対策については、こちらの記事に詳しく書いてあります。

→【ケガを繰り返したくない女子中高生へ】女性特有のケガのリスクを知る

 

受傷後しばらく安静にして、手術をして、リハビリを始めて、となると、かなり長い期間チーム練習から離脱しなければいけません。

 

でも、できるだけ早く復帰したいですよね。

 

じゃあこの中で短くできる期間はどこかというと、リハビリの期間しかありません。

ただ、リハビリをしてジョギングができるようになればいいのではありません。

復帰してプレーをするということを想定したリハビリが必要なんです。

 

 

そのために、今回は前十字靭帯の手術後、リハビリを始める方やリハビリをしてもなかなか良くならない方へ、

 

 

①なぜ痛みが続いているのか?

②痛みをなくすために自分でできることは?

 

という、基礎となる2点についてお伝えしようと思います。

 

痛みはないけど膝の曲げ伸ばしがしづらいと感じる方はこちらの記事がおすすめです。

→浜松で前十字靭帯損傷後、膝が伸ばしづらい方へ

 

 

 

①なぜ痛みが続いているのか?

前十字靭帯に限らず、手術後の痛みの原因はいくつかあります。

そのなかでも、

⑴手術後、傷口やその周辺を触っていない

⑵手術後から痛みがずっと変わらない

⑶関節の曲げ伸ばしに制限を感じる

 

 

3つすべてに当てはまる場合、「癒着」という原因が考えられます。

 

癒着とは、‘‘炎症によって臓器や生体組織がくっつくこと‘‘。(広辞苑より)

 

ここでいうと、手術で傷ついた部分やその周辺の組織(筋肉、脂肪、皮膚など)がくっつくこと、といえます。

 

そもそも筋肉、脂肪、皮膚などは近くにあって隣同士ですが、それらの間にはわずかな隙間があり、それぞれが分離して動くことができます。

 

もしくは隙間にある脂肪や筋膜(筋肉を包む膜)が潤滑剤の役割をして、分離した動きをできるようにしてくれています。

 

癒着というのは、そのような隙間が埋まってしまったり、脂肪や筋膜が硬くなって、隣同士を過剰に密着させてしまったりすることなんです。

 

 

当たり前ですが、手術をすると、必ず皮膚には傷が付きますよね。

まっさらな状態と比べると、皮膚の伸び縮みを多少制限しそうじゃないですか?

 

それが癒着です。皮膚だけでなく、その下にある見えない皮下脂肪や筋肉にもその影響が出ています。

 

 

 

で、なぜ痛みが続いているのかということですが、癒着したまま関節を動かすと、筋肉の本来の動きができないからです。

 

筋肉一つ一つには、伸び縮みする最適な方向があります。

その方向が異なる筋肉同士、または脂肪と筋肉が癒着するとどうなると思いますか?

 

お互いの動きを制限し合って、間違った動きをしてしまいます。

 

これが、癒着による痛みの正体です。

 

 

 

まとめるとこんな感じです。

 

傷がつく

皮膚や脂肪が硬くなる

筋肉と癒着する

動きを制限する

痛み

 

 

②痛みをなくすために自分でできることは?

 

どうしたら手術後の痛みがなくなるのか?この答えはもうなんとなくお分かりかと思いますが、

痛みの原因をなくせばいいのです。

つまり、癒着を取ってあげましょう。

 

 

皮膚と脂肪、脂肪と筋膜、筋膜と筋膜。

 

 

それぞれを分けて動きやすくしてあげたら、良さそうじゃないですか?

 

 

この、「それぞれを分ける」ことが「リリース」です。

 

 

膝周りの筋肉を強化しましょうと言われ、一生懸命筋トレをしているという方にもよくお会いします。

 

もちろんそれは前十字靭帯断裂の再発予防のために必要なのですが、その最中に痛みが出てしまう場合は、トレーニングの前に癒着を取ることが必要なのかもしれません。

 

 

 

 

前十字靭帯の手術をした方がやるべき3つのリリース

 

では、前十字靭帯の手術をした方がやるべき3つのリリースをお伝えします。

 

 

 

①手術痕

 

前十字靭帯の手術をすると、1~5㎝の傷が5、6か所残るはずです。

 

 

抜糸して腫れも引いてからは、そのすべての傷もリリースしてあげます。

 

 

こういうと、傷口が開かない?とおっしゃる方がいらっしゃいますが、そうそう開かないので安心して指先で優しく触ってあげてください。

 

皮膚をなでるように、円を描きながら緩めていきます。

 

 

 

 

 

 

②ハムストリングス

 

ももの裏の筋肉の腱を前十字靭帯の手術で使用した場合(ST/STG法)はもちろんですが、ハムストリングスは膝を曲げ伸ばしする働きを持っています。このハムストリングスの、特に膝に近い部分の癒着を取ってあげます。

 

 

手術後よく、「膝が伸び切らない」という声を聴きますが、ハムストリングスが癒着を起こし、膝が軽く曲がった状態で固定してしまっているのが一つの要因です。

 

 

ハムストリングスの腱はこのように膝の裏を通っていますので、その腱と腱を分けるイメージでほぐします。

 

ボールを使うと簡単にほぐすことができます。

 

 

 

 

③大腿四頭筋

 

ももの前の筋肉です。BTB法で手術をされた方はこの大腿四頭筋の腱である膝蓋腱を前十字靭帯に代用しています。

 

先ほどお話しした「膝が伸び切らない」というのは、ハムストリングスはもちろん、この大腿四頭筋の動きも制限されてしまっていることが原因です。

 

 

グリッドやストレッチポールがあれば、このように体重を乗せて、ももの前をほぐします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前十字靭帯の手術後膝が伸び切らない、また、リハビリをしているけど痛みがなかなか取れない方は、この3つをぜひ試してみてください。

 

 

それでもなかなか改善しない場合や、前十字靭帯手術後の復帰・再発予防に効果的なリハビリやトレーニングについてのご相談は、こちらへお問い合わせください。

 

LINEでの相談も受け付けております。

 

 

 

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柔道整復師 亀山弥子

名古屋市で痛みのある方へのパーソナルトレーニング指導、名古屋市内の高校女子バレーボール・バスケットボール部トレーナー活動や、愛知県・静岡県での女性アスリートサポート活動などをおこなっております。

 

 

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